イベントレポート詳細Details of an event

第103回 AGC Studio Design Forum
「徹底解説 Emergence of Form」

2019年6月14日(金)
講演会/セミナー

参加者
鈴木啓太氏 PRODUCT DESINGN CENTER代表

 

AGCミラノプロジェクトメンバー
勝呂昭男 AGC㈱ 事業開拓部・事業創造グループ

酒井佑典 AGC㈱ 生産技術部・ガラス成形チーム

脚田春彦 AGCセラミックス(株) ビーズ事業推進室

*文中敬称略



 

勝呂 こんにちは。AGCの事業開拓部の勝呂です。よろしくお願いします。今日は、クリエーションパートナーの鈴木啓太さんをお迎えし、私たちAGCミラノプロジェクトメンバーとともにインスタレーション「Emergence of Form」の徹底解説を行います。進め方として三部構成を考えており、第一部として、ミラノでの展示概要と狙いを解説、第二部では、各展示の場所に担当者が参りますので、それを見ていただきながら、第一部での発表から感じられた疑問や質問等をお受けするようにします。その後、第三部として苦労話的なことを、この4人でパネルトークする予定です。それでは、登壇者の紹介をいたします。まず、私の隣が鈴木啓太さんです。鈴木啓太さんは、愛知県のお生まれで、多摩美術大学を卒業され、2012年にPRODUCT DESINGN CENTERを設立されました。醤油差しから鉄道車両まで幅広い領域でプロダクトデザインやプロジェクトを手掛けられています。それからAGCのメンバーですが、私、勝呂が事業開拓部という部署に所属し、本件に関してはプロジェクトマネジメントを担当しました。それから、右にいる生産技術部の酒井がガラスの成形技術を担当しました。またその隣が、AGCセラミックスのビーズ事業推進室で3Dプリンター用セラミックス造形材の営業をしている脚田です。なお、今、ここにはいないのですが、第二部ではセラミックスの技術担当者も作品の脇に立って、ご説明をいたします。

 

 では、まず今回のミラノでの展示の概要をご説明いたします。AGCは2015年から2019年まで5年連続でミラノ・デザインウィークに出展しています。ミラノサローネは、(地図を示しながら)この左上の本会場で開催されており、まぁ、東京ビッグサイトを大きくしたイメージなんですが、そこで家具の見本市をやっています。それが元々のミラノサローネですが、それに呼応する形でミラノ市街のいくつかのエリア、ミラノ美術館やドゥオーモなどの周辺でイベントを開催しており、それを「Fuori Salone」と呼んでいます。AGCでは2017年までの3年間は、このトルトナ地区という倉庫街にある、スーパースタジオという場所で展示をしておりました。2018年と19年は、ベンチューラ・チェントラーレと呼ばれる、ミラノ中央駅の高架下で展示を行いました。このようにミラノ市内で広くイベントが行われているのがミラノ・デザインウィークの特徴になります。

 

 私たちがミラノサローネに出展する狙いは2つあります。1つは、AGCが素材メーカーであり、普段はデザイナーとの接点がないのですが、デザイナーの方々と直接コミュニケーションをとり、素材の魅力をPRするという狙いがあります。もう1つは、こういう素材が、デザイン面でどのように採用されるのかということをスタディするという狙いです。ここに過去、どういうテーマで、どのようなデザイナーさんとコラボレートしてきたかを記しています。

 

鈴木 どういう経緯で、ミラノへの出展が始まったのですか?

 

勝呂 AGCというと建築用ガラスのイメージがあると思いますが、一方、スマートフォンに代表されるようにプロダクトにもガラスが使われるようになってきていますよね。ところが、プロダクトデザイナーに話を聞いてみると、「ガラスって僕らのデザインの選択肢に、そもそも入っていない」ということがほとんどなんです。それなら、そういう人たちにガラスを知ってもらう必要があるだろう、と。そういうことを考えた結果、ミラノに出展した、というのが経緯だったと思います。例えばガラス一体型サイネージや透明スクリーンを使った2015年の「GLACIER FORMATION」とか、参加当初の展示は、建築っぽいんですね。で、この辺からスマホの影響を受けていて、2016年は化学強化ガラスを使った「Amorphous」でした。一方、プロダクトをやろうよ、と言って始めたのが2017年からで、倉本仁さんに家具のサイズで提案していただきました。その2017年を受けて、昨年はガラスのスピーカー、これは研究開発中の素材なんですが、それを使った展示になりました。

 

鈴木 勝呂さんは、初年度からずっとミラノサローネを担当なさったのですか?

 

勝呂 いえ、違います。私は2017年の「Touch」の時から関わっています。後で触れるかもしれないですが、私たちの素材の、新しい使われ方をデザイナーさんと一緒に探っていくというのが我々のミッションですから、それをもっと推進するという観点で、その年から関わるようになりました。で、今年は「Emergence of Form」を鈴木啓太さんにお願いした次第です。ここではガラスの成形加工技術とセラミックスの3Dプリンター造形技術をテーマにデザインをしていただきました。ということで、ここからは鈴木さんにお話をしていただきたいと思います。


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