イベントレポート詳細Details of an event

第61回 AGC studioデザインフォーラム
AGC studio Exhibition No.14「学校の窓から、見えるもの。」連動セミナー
「最新の学校施設づくりについて」~これからの地域社会と学校のあり方~複合化

2015年10月21日(水)
講演会/セミナー

赤松 学校はもともと関係者(ステークホルダー)が多く、建替える際は、それよりも多くの関係者との調整が必要になります。市の施設課、教育委員会、教師、保護者、近隣住民、子どもたち、という具合で、建替えに際しては子どもたちとワークショップをしたりしますし、今回は、それらに学習館およびそれに関わる行政関係部署、そして学習館の利用者が加わり、この利用者は何百団体にも及ぶということで、その方々への説明が必要になります。そしてこの双方(学校関係者と学習館関係者)から、今回は特に反対意見がかなり出てきました。

 

学校側からすると「これまで小学校の敷地だったところに、しかも狭い敷地だったところへ、なぜ学習館を複合してさらに狭い土地利用をしなければいけないのか?」とか、「学習館などという、どこの誰が来るか分からない施設と小学校を一緒にしてくれるな! 危険じゃないのか?」という意見ですね。一方、学習館サイドとしては「これまで自由にのびのび使えていた施設が狭くなってしまうし、そういう狭いところへなぜ移る必要があるのか」という疑問です。そして小学生がいることで自分たちの活動が非常に制約を受けるのではないか、「あれも、これも、やってはいけない」と言われるのではないか、という心配をなさっている。双方ともにネガティブな見方、感情が出て来るのです。最初はとにかく複合化せずに、別々につくってくれ、という意見が強かったのですけれど、立川市の市長さんが「これからはそういう時代ではない」と強い信念を表明してくださったので、我々も複合化のメリットをきちんと説明しました。セキュリティや安全面に関して建築的に配慮することを伝えました。複合化するからといって、授業している教室に近所の人々がどかどか入ってくることはありません、と。学習館や図書館を利用する際は、きちんとした管理の元に利用するのだ、と。ただし、近所のおじいちゃん、おばあちゃんが活動している近所の公民館と小学校が一緒になれば、これまでと違うコミュニティのふれあいが生まれる、という話をしました。

 

最初に反対意見が強いと、実は賛成意見を持っていた人がなかなか声を上げられない状況が生まれます。しかし、いろいろな話をしていくうちに、少しずつ賛成意見が出始めたり、理解が広まっていったりします。反対意見が完全になくなるということは最後までありませんでしたが、とにかく複合化しようということに決まりました。我々も説明をしましたし、我々以上に行政の方々が各局面で丁寧に説明しておられたのが理解されたのだと思います。
*外観、内観に関する多数の写真スライドと平面図、動画などを見せながら、プランおよび竣工後の詳細を解説。とりわけ学校とそれ以外のスペースの管理区画区分と利用形態に関する建築意匠上の工夫、公立小学校運営と複合化に起因する特殊なプランニング等、さらには設備と内装、建具の使い方などについても詳説した。また学校施設の地域解放についても考え方や管理法について紹介した。

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