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第60回 「最新の学校施設づくりについて」 その1~次世代へ繋ぐ学び舎を考える~長寿命化

2015年9月17日(木)
講演会/セミナー

縄手 「長寿命化改良事業」補助対象となる建築ですが、「築40年以上を経過したもの」であること、それから、「今後30年以上使用する予定のもの」、そして「構造体の劣化状況等について調査を行い、その結果、躯体の補修工事を要すると学校設置者が判定するもの」であり、最後に「コンクリート強度や不同沈下量、校地環境の安全性の観点から長期的に使うことが適切と学校設置者が判断するもの」という要件を満たす必要があります。なお、構造体の劣化状況等についての調査を行うにあたっては、耐力調査の方法を参考にすることが示されています。既に受けた耐力度調査も活かせるのです。

 

 以上の要件を満たした上で、ではどのような工事内容であれば補助を得られるのかというと、次のようになります。まず、必ず実施する工事として「水道や電気等のライフラインの更新」および「躯体の劣化に対する補修」です。この二つは必須です。これをしないと、今後使える建物にはなりません。加えて、原則として実施する工事として「耐久性に優れた材料等への取り替え」「維持管理や設備更新の容易性の確保」「少人数指導など多様な学習内容・学習携帯が可能となる教育環境の確保」「断熱等の省エネルギー対策」を、つまり今後30年以上使い続けるためのグレードの高い改修工事を行う必要があると示されています。また「長寿命化改良事業」と「大規模改修(老朽)」の補助金制度を比較してみると、「大規模改修(老朽)」については、地方財政措置のない、実質的な負担が66.7%、上限額が2億円の「大規模改造(老朽)」を活用することとなります。一方、ここまで述べた「長寿命化改良事業」については地方財政措置が40%で上限額なしの、実質負担率が26.7%となります。

 

 以上の「長寿命化改良事業」と「大規模改修(老朽)」について、時間軸を通して示したものが次の「長寿命化改修のイメージ」となります。また、「長寿命化改良事業」補助を活用する中で「ガラス」はその工事内容の「省エネルギー対策」として重要な位置を占めることになります。

 

 もう時間となりましたので耐震化のことについてお話しいたします。学校の耐震化は、阪神淡路大震災以来、大きなテーマでありましたが、現状では9割以上達成されています。ただし、天井など非構造部材の耐震化については、現在も大きな課題のままです。東日本大震災における天井落下被害がみなさまの記憶に焼き付いているように、例えば、学校の教室、体育館や講堂などの天井の耐震化は喫緊の課題で、子どもたちの安全はもちろんのこと、大きな自然災害が起きると、地域の方々は学校へ避難してきます。公立の小中学校の多くが指定避難所になっています。文部科学省では、こうした非構造部材の耐震対策について、平成27年3月には最新のガイドブックの改訂版が出されました。3.11以降の検証を含めて、天井だけでなく、家具、ガラス、照明器具等も対象としております。そこに示すようにチェックポイントやフローチャートがありますけれど、危険な天井は基本的には撤去してから改修を行うようになっています。撤去した上で断熱や防音をどうするか、など、それに対する事例集等、多数の資料が用意されておりますので、これらも確認いただければと思います。
*この後、学校施設の複合化に関するアンケート調査や複合化の現状を示すデータ等を少し紹介して講演を終了。

 

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