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第60回 「最新の学校施設づくりについて」 その1~次世代へ繋ぐ学び舎を考える~長寿命化

2015年9月17日(木)
講演会/セミナー

●東京女学館中学校・高等学校(天井耐震リニューアル 同敷地/居ながら/講堂)

 

丸野 東京女学館中高さんの事例は、特定天井の耐震リニューアルがテーマです。講堂の天井の耐震性能が見直され、安全性の確保を行う必要がありました。改修のキーワードとしては「講堂全体の安全性を高める」「講堂としての視環境を保つ」「講堂としての音環境を保つ」の3つになります。場所は表参道と渋谷、広尾を結んだ三角の、ちょうど中間に位置します。こちらの講堂の改修についてコンペがあり、弊社が請け負うことになりました。状況としては古い建物ではなく、1996年の竣工、天井高さが最大11mというものです。2013年国交省告示「安全上重要である天井及び天井の構造耐力上安全な構造方法を定める件(案)」に基づいた設計になります。2案を提案し、現状復旧という案、天井をなくすという案でした。天井裏の部分をブドウ棚のようにし、構造的にしっかりした天井につくりかえる。もう1つは天井を取ってしまうということで、国交省の規定と文科省の判断とは多少違いがありますが、文科省としては基本的に天井(の仕上げ材)がなければ、落ちるものがないわけですから、取ってしまうほうがいいと考えられるのです。ただし、音響環境の問題があり、使用目的によっては天井を完全に撤去するのは難しいところもある。弊社の提案としては、天井をなくす方向の案を提案しております。図で示すこのブルーの部分にガラスクロス製の膜ルーバーを設置するという提案になっております。この膜ルーバーであれば、万が一のことがあっても軽いので安全性を確保でき、繊細な表現もできるだろう、と判断しています。ステージ周りの部分はブドウ棚状の、構造的にしっかりしたもので構成し、生徒さんたちが座る天井の上部は、この膜構造になります。
*写真と音響シミュレーションの解析結果、実測結果等を示しながら詳しく紹介。またサントリーホールなど他の天井改修等についても少し触れる。

 

●三田国際学園中学校・高等学校(共学化 リニューアル 同敷地/居ながら/WC改修)

 

 三田国際学園中高さんのケースについては、少子化に伴う共学化がテーマです。もとは戸板中学校・戸板女子高等学校であり、校名を変更し、中高一貫の共学校になるというものです。ロケーションは世田谷区用賀という非常に恵まれた立地条件にあり、周辺環境も第一種低層住居専用地域で、この写真にあるように緑の多い恵まれた状況にあります。共学化により前年度の出願状況も11.1倍ということになりました。非常に人気の高い学校となりましたので、今後は建物を含め、運用の中で長寿命化を図るものです。

 

 もとは女子の学校ですので、当然、トイレに代表される男子生徒に対応すべき要素がたくさんでてきます。そこで建物の改修を含めてリニューアル改修するということになったのです。これも「居ながら改修」ですので、できるだけ夏休みや春休みの期間を最大限に使って工事を進めていきました。男子が入ることに対して、極力、現状を活かしつつ計画を行いました。例えば、水廻りですね。この写真のように洗面カウンターや水飲みの機械は廊下に面しております。父兄の方々を学校に呼ばれる際、印象として、こうした廊下やトイレは非常に重要な要素となります。そこからまず手をつけていく。こちらがトイレのカウンターですが、左側は非常に女子校らしい設えになっておりました。これをそのまま男子生徒が利用するのは難しいと思いましたので、ガラッと一新するような提案をし、右側の写真のようにベッセル型の洗面カウンターを設けるなど仕様変更も含め一新しました。
*トイレ改修のビフォア&アフターを写真を使って紹介。

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