イベントレポート詳細Details of an event

第94回AGC Studioデザインフォーラム トークセッション
「EDIDAとガラスの緊密な関係 東京・ミラノからの最新報告」

2018年4月26日(木)
講演会/セミナー

2018年のEDIDA AWARD 受賞者発表「ヤング・デザイナー部門」

 

安藤:“飽和”つながりなのですが、平成17年の国勢調査で、独立している人やインハウスの方々を含めて、自らをデザイナーと名乗る方々が、日本に17万人いるという報告がなされています。

 

佐藤・佐野:多いですね。

 

安藤:多いんです。さらに、ざっくりとした試算なのですが、年間1万人くらいの人が、美術大学や専門学校を卒業して世の中に飛び出している。これは日本だけの数字なのですが、世界的に見ると、この数はとんでもなく多い。飽和そのものだな、という気がします。
 僕らとしては、新しい価値観でモノをつくっていかなければならないし、既存のレールに乗っかるのではなくて、新しいレールを引いていこうという感覚でやっていて、まさにフォルマファンタズマは、その最たる存在だと思います。

 

佐藤:そうですね。今年のEDIDA受賞者の紹介を続けます。
 ヤング・デザイナー部門はスタジオスワインが受賞しました。日本人の女性とイギリス出身の男性のデザインデュオでして、ミラノをベースに活動されています。昨年手がけたファッションブランド「COS コス」のインスタレーションが高く評価されての受賞です。彼らも、フォルマファンタズマのような独自のアプローチで仕事をされています。

 

佐野:「COS コス」のインスタレーションは、どうやってプレゼンするのだろうか、と思いました。

 

:僕らも同じようなことを考えていたので、「あ、やられた」と思いましたね(笑)。

 

佐藤:シャボン玉の中に煙が入っていて、それが落ちてくるインスタレーションを、昨年のミラノサローネで展示されていました。こういうインスタレーションが増えたのも、ミラノサローネのここ2、3年の傾向かと思います。

 

:インスタレーションの中にテクノロジーがかなり入ってくるようになったと思うのですが、スタジオスワインに僕らが共感するところは、テクノロジーの部分はあまり見せないでやっている点です。シャボン玉や煙など身近にあるものが、いかにインスタレーションの中に入っていけるか、という着地がすごく素敵だと思いました。
 彼らもストーリーを重視する作り方をしていて、例えば、海に出て、浮遊するプラスチックゴミを集めて、その場で椅子を作って持ち帰ってくる、というようなアートに近いアプローチをしている、と感じます。

 

佐野:そうですね。空き缶を溶かして、砂浜に穴を掘ってそのまま注入するのも、すごく面白い。自動労働のようなものをテーマにしていて、コンセプトのほうが前に出ていて、モノとしてのクオリティがどうと言うより、テーマがすごくいいな、と思う。その中でも、昨年の「COS コス」のはガツンとすごかったです。

 

安藤:ヤング部門もオブ・ザ・イヤーも、こういう人たちが受賞しているのは、とても象徴的な出来事だと思います。

 

佐藤:そうですね。彼らがニュージェネレーションとすると、インサイダーの人たちの中では、例えば有名どころでは、コンスタンチン・グルチッチ氏などは一度も受賞していない。社会状況やデザインの流れ的に、今後も受賞はないのかな、という気もしています。

 

佐野:インダストリーでロジカルなデザインの代表的な方ですものね。

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