イベントレポート詳細Details of an event

第48回 AGC studioデザインフォーラム
AGC studio Exhibition No.11連動企画 「地震・火事・風とガラス」

2014年10月3日(金)
講演会/セミナー

はじめに

 

 

伊藤 進行役の伊藤でございます。前座として私も少しだけ話をします。

 

ひょう、街襲う今年の6月24日の午後、この写真のように東京の三鷹市と調布市でものすごい雹が降りました。これを見て2000年5月24日のことを思い出しました。千葉県取手市と我孫子市で強風と共に雹が降り、非常にたくさんのガラスが割れたという報道があったのです。
ちょうどこの直後、建設省告示第1454号や同1458号など、ガラスの耐風性能等を規定する告示の施行が予定されていました。それで、取手市や我孫子市のガラスは強い風によって割れたのか、それとも横殴りの雹によって割れたのかを調べる必要が出て、私も現地調査に行ったのです。
これは佐倉の人から送っていただいた写真ですが、こういう直径5、6センチもの雹が降ったようです。利根川を挟んだ、地図で示すこの一帯で起きたことですが、ここの×印がある地点は、300枚以上のガラスが割れた小中学校です。◆印が100~300枚という被害の学校です。
*多数のガラス被害を写真で紹介。
 このようにアルミサッシの枠にへこみが出ている被害や、木製扉に貫通した穴が開いたものまでありますので、やはり間違いなく「横殴りの雹だ!」という結論になりました。インターネットに「雹、被害、建築研究所」という3つのキーワードを入力して検索すれば、この時の被害状況の報告や写真等が出てきます

 

次に、地震で窓ガラスが割れた被害ですけれど、2005年3月20日に福岡県西方沖地震があり、福岡市の目抜き通りに面するビルでガラスが沢山割れ、雨のようにガラスが降ったとされます。それと同じようなことが、1978年の2月20日に仙台市で震度4の地震があり、これも道路にガラスが飛び散っています。
数十から数百というオーダーで割れたガラスを丹念に調べると、はめ殺し窓、固定窓であり、硬化性パテでガラスを留めているものが多かった。これが昭和53年の時のことです。当時、調べた建物の竣工年は昭和40年代のものが多く、アルミサッシに硬化性パテを使っているものが多かったわけです。
この頃の調査では、割れたガラスやタイルなどはそれが位置した高さの半分くらいの距離を水平方向に飛ぶ、ということが分かっていまして、法規はそういう調査と経験知、実験等に基づき定められています。

 

では次に、どのくらいの変形量があればガラスは割れるのか? ということについて、つくばの建築研究所で実大のRCの建物で実験しております。弾性シーラント留めと硬化性パテ留めで比較しまして、変形を調べています。硬化性パテですと、変形角にして1500分の1から500分の1くらいで割れます。一方の弾性シーラント留めのものは10倍とは言いませんが10倍弱くらい、変形角で200分の1から150分の1くらいで割れる、となっており、許容変形量が1桁違うわけです。
*図と数式でガラスの変形と割れに関して解説

 

 以上の報告は、「ガラス 被害 建築研究所」というキーワードで検索すれば報告書の要約が出てきます。これが1981年のことでした。
それを受けまして、その年の10月に建設省告示の第109号が追加されました。その部分が、ここに示した文の下3行で「帳壁として窓にガラス入りのはめごろし戸(網入りガラス入りのものを除く。)を設ける場合にあつては、硬化性のシーリング材を使用しないこと。ただし、ガラスの落下による危害を防止するための措置が講じられている場合にあつては、この限りでない」という項目が付きました。
では、先ほどの福岡のビルのガラス被害はどうして起きたのか? ということになりますが、それはこうした新しい基準ができたにも関わらず従前のままであったということです。従前のままであるということは、法律違反ではなく、既存不適格になるわけですが、こういう通達が出ていた、ということです。

 

前座は以上で、金箱先生にバトンタッチいたします。よろしくお願いします。

1 2 3 4 5