イベントレポート詳細Details of an event

第45回 AGC studioデザインフォーラム
コミュニティ・アーキテクトによる子ども教育セミナー
~未来への防災まちづくり~

2014年6月21日(土)
講演会/セミナー

第二部 事例紹介 「子ども防災ワークショップの実施報告」

 

 

山崎 山崎です。よろしくお願いします。
東京建築士会のまちづくり委員会と青年委員会とが共同して行っている防災に関する活動についてお話します。まず、みなさんのお手元にある防災本についてご説明 します。

 

この本を作ったのは、一般の方々が防災に取り組む際に活用して欲しい、というのはもちろんなのですが、地域社会で防災に取り組む建築士の補助ツールとして活用していただきたいと思い作ったわけです。要するに私たちが地域に行って、ハードに加えソフト面での活動をするためのものです。参加なさった地域の方々への”おみやげ”になるという側面もあります。
この本の特徴は、子どもでも理解できるようにイラストを入れて分かりやすい表現を心がけています。さらに、住まいという身近な場所の備えから、建築、まちへと視野を広げていくような構成になっています。

 

目次の青い部分(前半)に当たるページでは、住まいに関して、地震時における家の中での対処法ですとか、被害を小さくするための方策などが書いてあります。その次の章には、より専門的な知識として、地震の種類や地盤や建物の構造、耐震や免震等について記しています。最後の章は、まちにまで広げた防災について書いてあります。
このように身近なところから視野を広げて行くことがコンセプトになっております。そして大事なことなのですが、裏表紙には自分の連絡先「あなたのまちの建築士」を書くようになっています。責任をもって「何かあったら対応しますよ」と自分の名前、連絡先を書いて渡すようにしています。それから、講師用のテキストもつくっております。そこには新しい情報を入手できるウェブサイトなどの情報なども入れています。

 

まちづくり委員会の中で防災教育ワーキンググループというものをつくりまして、防災教育プログラム開発すること。それを各地域で実践していくこと。講師育成のための講習会を開催すること。こういう3本の柱で今後、活動していく予定です。

 

さて、実際にワークショップを実施してみた内容を報告します。これは小学3年生12人を対象に1時間くらいかけたのですが、学童クラブは授業の後なので、子どもたちは遊びたがっているのですね。そういう手強い相手を対象に敢えてやってみたわけです。
プログラムとしては、3つのワークショプ、「地震が起こった瞬間にすること」「自分の家の危険発見」「隣の建物と揺れ方が違う」というような内容で行いました。
最初のは、よくあるどこででもできる訓練の1つです。この写真のように机の下に入っていますが、この子などは頭が出てしまっています(笑)。何のためにこういうことをするのか? 身体全体が入らない場合は「頭を守るのが最も大切なんだよ」と伝えます。

 

次の写真は、この部屋の危険な部分をみんなで見つけてみる、というところです。ガラスが危ないとか、時計が落ちて来るかもしれない、とかみんなで探しています。その次に、自分の家の発見、ということで、自分の家ではどのような危険があるかをみんなで想像してもらいます。ここでは模型を使って自分の家と似た状況をつくってみて、実際に揺らしてみたりなどしています。この写真では家具が倒れてきて、お父さんの頭に当たっていますね。

 

まぁ、大人が見ると特別なものには映らないのですが、子どもは、こういうものにすごく食いつくのです。驚くし、大爆笑も起きます。その後、これらを固定してからもう一度揺らしてみせています。「ほら、倒れませんよ」と。やはり体験させるのが重要で、絵を見せるだけでは伝わらないのを、こういう模型を使って臨場感を出しています。その次は子どもたちに作業をしてもらうのですが、自分の家のレイアウトを思い出してもらい、家具がどこにあるかなど、簡単な絵にしてもらいます。この時、タンスや食器棚、冷蔵庫などに該当する紙のパーツを予め用意しておいて、手間と時間短縮を図ります。やはり、こういう作業をすると、子どもたちは集中するので、かなり真剣に取り組んでいます。
これは平面図なので、小学3年生には少し難しいのですが、先にやった模型の俯瞰などを参考にしてもらいます。で、こういう風に、危ない場所はどこだろう、と自分で発見してもらいます。その結果を各家庭に持ち帰ってもらい、転倒防止等の相談をお父さんお母さんにしてみよう、と話します。
建物の揺れ方の違いは、こういうスポンジの模型を使います。内容的には少し高度になりますが、建物に見立てたスポンジが揺れることについて高い関心を示してくれます。東日本大震災の時の新宿の高層ビルの映像なども見せつつ実験します。

 

最後の復習としては、先ほどのハンドブックに戻り、さっきやった転倒防止の話はどのページに出ているか、実験したのはどのページなのかなど、確認します。今後は、もう少し多彩なプログラムを考えたいと思います。

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