イベントレポート詳細Details of an event

第83回 AGC Studio Design Forum
AGC リノベーション展+DESIGN セミナー
「魅せる・仕切る − 空間におけるガラスの役割」

2017年11月2日(木)
講演会/セミナー

「ガラスの家」と「家のガラス」

 

恭: 次は、僕たちが手がけたものではないのですが、ガラスと言えば、ということで、近年見たなかで印象に残っている、建築家リナ・ボ・バルディ設計の「ガラスの家」を紹介します。
 僕たちは「空間体験をしよう」ということで、時間があるとき、いろいろな場所に出かけて建築を体感しています。2013年にはブラジルを訪れました。女性建築家リナ・ボ・バルディが、1951年に建てたガラスの家という建築があり、それをどうしても見たかったので、サンパウロに赴きました。街の中心からタクシーで30分ほどの丘の上の住宅街にあり、木が生い茂った中に、ガラスの家が建っています。

 

 ピロティの下に階段があって、ここを上って中に入ります。床はモザイクタイル、壁はガラス張りで、一部がサッシで開くようになっていますが、ベランダ等は一切ないです。僕は、このガラス越しに見えるジャングルの眺めが大好きで、心躍る体験でした。
 ガラスに仕切られてはいるのですが、外部の自然との一体感が強烈な印象を与える空間でした。建築当初の写真によると、かつては周囲の木々が今ほどは茂っていない状態で、60年以上を経て、鬱蒼としたジャングルになったかたちです。内部の洗練された空間と外部との対比、さらにそれらが一体化している趣に本当に感動しました。
 この写真のように、建築に関わる人などが、世界各国から大勢見学に訪れていました。この真鍮のアームがついている椅子なども、リナ・ボ・バルディのデザインです。バルディが集めた調度品のセンスの良さも素晴らしく、長居して楽しみました。このガラスの家が、近年見た建築のなかでは、一番感動したものです。

 

マナ: 最後に、最近完成した私たちの自宅でも、いろいろなガラスを使っているので、それを紹介します。
 このガラス扉には、上部にエッチングされたような型板ガラスを用い、下はクリアなガラスになっています。なぜ、こうしているかと言うと、私が動物好きで、犬や猫を飼っているのですが、ガラス扉を介して、犬や猫は見えても、人は見えないというデザインにしたかったからです。この奥は打ち合わせスペースで、下のクリアガラスを通して犬は見えるのですが、上部は型板ガラスなので、人は見えないかたちです。自宅スペースである2階にも同じ手法を使っていて、ガラス扉の下側のクリアガラス部分から、猫たちが「お帰り」という顔で待っているのが見えます。
ガラスケース好き」というお話をしてきましたが、自分の家にもそれをつくりまして、調度品を飾っています。また、森も大好きなので、公園沿いに土地を見つけて、ガラス窓から公園の緑も楽しんでいます。最後はちょっと自慢話のようになってしまいましたが(笑)、これで終わります。

 

恭・マナ: 今日はありがとうございました。

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