イベントレポート詳細Details of an event

第83回 AGC Studio Design Forum
AGC リノベーション展+DESIGN セミナー
「魅せる・仕切る − 空間におけるガラスの役割」

2017年11月2日(木)
講演会/セミナー

モノをきれいに見せるためにガラスを使うという手法

 

恭: こちらは、恵比寿にある「森の机」という和の飲食店の事例です。
 オーナーシェフが森 温机さんという方で、店名はその名前にちなんでいます。ロゴは、前田景さんのデザインと鹿児島睦さんのモチーフを融合させたものになっています。店内に入ると、このような大きなガラスケースがあります。僕たちは、本当にガラスケースが好きなんですね。
 ガラスケースがあると、場が映え、モノが良く見える。空間をつくる以上は、モノが美しく見えてナンボや、というところがあり、モノを良く見せたいと思うときに好んで使うのが、ガラスケースを用いる手法です。この店は豊富な梅酒がウリなので、店の入口に梅酒が並ぶ大きなガラスケースをつくり、それが待ち構えているようなディスプレイにしています。ケースの左右にある通路から店に入っていくという設計で、店のウリを入口でドンと見せるという空間づくりです。

 

 店内は、坂本龍一氏が中心となって設立した「モア・トゥリーズ」の間伐材を使ったデザインになっていて、北海道の白樺材をカウンターや床材などにパターン貼りして空間を構成しています。奥には、鹿児島睦さんのペイントがあります。森というイメージなので、それにちなむ絵を描いていただいて、森を感じさせる照明なども使い、空間を統一しています。

 

マナ: 次の事例は、グランフロント大阪にある「BAG’n’NOUN(バッグンナウン)」というバッグショップです。
 とてもカラフルなバッグをつくっているブランドで、すべてを見せてしまうとお腹がいっぱいになるのでは、ということになり、一部の棚をあえて見せない設計にしました。

 

 通路側からは棚の裏側が見え、店舗の中に入ると、棚のバッグが見えるというレイアウトです。また、通路から見える上部には、売れ筋の商品が一部見える手法をとり、この外側から見える箇所にガラスを入れています。ただ棚の上にバッグをのせるだけでは、雑多な感じしか印象に残らないのではないかと考え、ガラスを一枚隔てた向こう側にあるモノが「きれいに見える」ということで、設計をした例です。
 出入口は、別方向に2カ所設けています。最初は1箇所に、という案もあったのですが、そうすると逃げられない感じのスペースになってしまうので、2箇所にしました。興味を持って中に入ると、全部のカラーバリエーションを見ることができ、気に入ったら色を選んで買っていただくという手法を使っています。

1 2 3 4 5 6