イベントレポート詳細Details of an event

第82回 AGC Studio Design Forum
AGC リノベーション展+DESIGN セミナー
「マンションに100年安全で快適に暮らす方法
− 耐震化に取り組む中で見えてきたマンション再生の考え方 −

2017年10月21日(木)
講演会/セミナー

大規模修繕工事の様々な事例 その2

 

今井 こちらは築後36年のKPマンションの例です。
 この建物には、全長70mほどのスチールの手摺りがあり、素材の特性から毎日伸び縮みを続けている状態なので、どうしても端の部屋の手摺りが破断する。それをアルミに取り替えた事例です。初め、廊下側をすべて点検して、外観上は問題がないという状況を確認していたにも関わらず、その後2・3カ月で破断してきました。内側からサビて破断する現象が起こったようで、その改修工事を行ったかたちです。
 その際、玄関ドアを耐震タイプに交換したいという話がありました。元の扉はしっかりしたもので、両面フラッシュで丁番3本吊りのがっちりした造りでした。しかし、30年を超えると、ドアが下がって開閉に支障があるお宅も出てくる。また、60cmほど引っ込んでいるアルコーブがあり、夜間、鍵穴が暗くて不便とのことで、新築時からあったこの問題点を解決できないか、という話もでました。
 上に梁があり、玄関ドアとの間にベントキャップがあり、台所の給気をとっています。過去に何回かその網にペンキを塗っているので、網がつぶれてきている。それでは、そこを取り替えながら照明をつけようか、という話になりました。管理組合のほうから5WくらいのLEDでよく、電気は共有部分からとっていいとのことで、共有配線で自動点滅というかたちでつけました。

 

 新築時からの問題を解決でき、改修工事によって玄関ドアがきれいになり、夜間の暗さが解消できました。そのことがあり、先程言った室内の排水管工事を2年後に行いましたが、住民の方の協力をかなり得られました。もともと熱心な管理組合で、修繕委員が10人ほどいて、毎回の会合でほとんど欠席がない。玄関ドアを替えるときも、一緒に何軒もショールームを見に行きました。
 このとき、ドアの郵便受け口の大きさの話も出て、例えば、新聞を7紙とっている人がいて、口の大きいのにしてくれ、ということで、メーカーの方では300個単位でないとサイズを変更できないというところを、必要個数のみでお願いして、今後もあるから、ということでやってもらいました。
 玄関ドアを替えるとき、色の確認と受け入れ検査は必須となります。ここでは3色のドアを実際に並べ、アンケートをとって決めたのですが、そこで色が決まったらそれを頭にたたき込んで、工事時に違う色のドアが来た際、それをすぐに察知する必要があります。過去に、別の色のものが搬入された例がありますから、確認は必要です。
 郵便受け口についても、色のアンケートの際に、口のサイズの大小、またはなし、という希望をとり、その差額分は管理組合の負担ということで実施しました。工事は基本的にはカバー工法で、まず玄関ドアをはずして、ベニヤ板を内側につける養生をして行い、ドアをつけてシーリングを打てば完成となります。最初に試験施工で確認し、後は流れ作業で仕事を進めていきます。

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