イベントレポート詳細Details of an event

第85回 AGC Studio Design Forum
AGC リノベーション展+DESIGN セミナー
「ワンストップリノベビジネスについて」

2017年11月16日(木)
講演会/セミナー

AGCスタジオでは2016年に引き続きリノベーション展を開催。2017年のテーマとして「+デザイン」を掲げている。私たちの毎日にデザインという考え方をトッピングすることで、日常の空間をどのようにリノベーションできるかを考える展覧会だ。その関連セミナーとして「ワンストップ・リノベ」を取り上げた。リノベーションには、金融、不動産、設計、施工、インテリア、アフターサービスなど様々な知識と手続きが必要になる。それらを1つの窓口で総合的に提供する「ワンストップ・リノベーションビジネス」の実践例や業界動向を紹介する。

 

渡邊勇太氏 中田寿氏 (株)和久環組(wakuwaku.Inc.)

 

お客様がしたいように、好きなように行う大型のリノベーション

 

渡邊 みなさんこんにちは。リノベ不動産の渡邊と申します。まずは弊社の簡単な紹介をいたします。リノベ不動産を運営しているのが株式会社和久環組(わくわく)という会社なんですが、その会社を4年半前に代表の中田と一緒に立ち上げました。今、私たちは和久環組という社員50名ほどの会社で主に住宅、不動産の領域でビジネスを展開しております。住宅領域でサービスを展開するにあたって「日本中を愉快に」ということを掲げています。日本の住環境をもっと楽しく愉快に、社名の「わくわく」にあるように、住んでいる人がわくわくできるような環境の住まいをつくっていきたいのです。

 

事業としては軸を2つ置いて展開しております。1つ目は、「Beat HOUSE」というブランド・屋号でやっているワンストップのリノベーションビジネスです。一般のお客様に対して、不動産の物件探しからリノベーションの設計、デザイン、工事などを一社で完結させて提供します。右肩に「to C」と書いてあるように、一般消費者向けのビジネスとなっています。これは4年半前の創業の時から継続して取り組んでいるビジネスで、現在は横浜駅に近くにショールームをオープンして物件の紹介から打ち合わせなども行っています。このショールームの1階は50坪ほどのフロアで、不動産屋さんでよくあるような、物件情報がたくさん表示してあったり、いわゆるまちのリフォーム屋さんのように設備や素材をたくさん置いてあったりするようなところではなく、「リノベーションをすると、こんな素敵な雰囲気になります」といったことを伝えるための箱にしています。

 

 もうひとつ、弊社の軸として「リノベ不動産」という全国展開するプラットフォーム事業があります。「エンドユーザー向けの仲介、リノベーションビジネスをやっていきます」とありますように、我々が培ったやり方やノウハウをビジネスとしてパッケージングしまして、日本全国の不動産や建築、リノベーションに携わる事業者様が、同じようにワンストップリノベビジネスをできるように、もろもろを提供する、というものです。フランチャイズのような形態をイメージしていただけると分かりやすいと思います。リノベビジネスのやり方が分からない、ノウハウがないという会社様に対して、こういうツールを使って、このように説明すると、ワンストップのビジネスができる、と。我々としては、先の一般消費者向けB to Cのビジネスから、事業者様向けのB to Bのビジネスの両建てでビジネスを展開しています。このリノベ不動産という事業は2年半前からスタートしたのですが、おかげさまで現在、北海道から沖縄まで全国150拠点を超える規模、おそらく日本で最大級の規模になってきたところです。

 

 さて、今日のテーマは「ワンストップリノベビジネス」です。このリノベーションという言葉だけで考えますと、賃貸のオーナーさん向けのリノベーションから、テナントのコンバージョンという市場があったりしますけれど、今日は私たちが実際に行っている居住用の、住宅購入に関わるリノベーションをテーマに、これまでの経験に基づき、B to CとB to Bの両方の目線からお話しします。前半は私の方からワンストップリノベーションの今後の可能性や業界全体の課題などに触れながら、後半は中田のほうから、まだまだ未成熟なリノベーション市場に関するマーケティングについてお話をさせていただければと思っています。

 

 まず、中古住宅を購入してリノベーションをするという「住宅購入の選択肢」について、一般消費者の目線で見ると、どういうサービスなんだろうかというところから入ろうと思います。この図がまさに私たちがやっている事業でして、これから住宅を購入されるエンドユーザー、特に一次取得者の方が多いので、20代後半から40代半ばくらいの方がメーンのターゲットになります。中古の物件探しと、その物件に対するリノベーションのプランを決めてデザインし、それに基づいたリフォームの工事をします。また、ほとんどのお客さんは住宅ローンを組まれますので、そうした物件費用と工事費用などを含めて住宅ローンの設計をしながらお客様に提供する。これが世にいうリノベーションのワンストップサービスです。実際、私たちは年間100件ほどの大型のリノベーション工事をしてまいりました。今行っているのは、横浜や東京エリアの市場でして、お客様の8割くらいはマンションを買われる方々です。100件のうち80件ぐらいがマンションで、残りの2割くらいが戸建てになっています。お客様によって必要な広さや設備、間取りは異なってきますので、やはり、どれ一つとっても出来上がりは違ってきます。
*画像でリノベーション物件の実例を複数紹介

 

見ていただいたように、いわゆる設備交換だけのリフォームですとか、現状回復のリフォームではなくて、あくまでもお客様がしたいように、好きなように行う大型のリノベーションになっています。こちらの事例も1997年築の物件なので、築20年くらい左下の画像のようなところから、右側の画像のように変わっています。メーンのLDKだけでなく、寝室やパウダールームだとか、そういったところまで全て改装するというのがリノベーションの魅力であり、お客さんも楽しく感じるところです。こちらはまた別の事例ですが、70㎡の2LDKの物件です。先ほどのは夫婦二人暮らしでしたので、1LDK+書斎という間取りでしたが、こちらはお子さんが1人いらっしゃるので、2LDKの間取りになっています。また、内装のデザインも全く異なったものになっています。それから、こちらは130㎡の築38年というマンションのリノベ事例です。最近のマンションだと床面積が60㎡台、70㎡台となりがちですが、昔のマンションの場合は100㎡前後のものが多くありますので、古い物件を買うメリットは、こういうところにも出てきます。

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