イベントレポート詳細Details of an event

第84回 AGC Studio Design Forum
AGC リノベーション展+DESIGN セミナー
「補助金を使って窓改修」

2017年11月9日(木)
講演会/セミナー

補助金の傾向と対策とは?

 

山下 「国の思い」という視点からお話をすると、今の日本は借金大国で、財源・予算が厳しい現状があります。
皆にバラまこうというような姿勢はなく、国の思いを理解する人、各省庁の思いを理解して、何を求めている予算なのかを紐解くことが必要です。それに応じて申請書の“作文”の方法も変わり、この省庁のこの窓口は何を目的にしているのかを理解すれば、頑張っている人に対して補助金を出してくれます。
補助金の傾向と対策」についても、お話します。補助金の大半は、過去に実施したもので、基本的には前年のものを踏襲するかたちです。そのため、前年の書類を参考にして申請書を準備しておけば、募集期間に入って、すぐに申請を出せます。このように、次の工事に照準をしぼって、事前に準備をしておくのが大事だと思います。
最初に述べましたが、以前はエコポイント制度のような、後から申請できる補助金もありました。最近は、事前採択エントリー形式でグループに参加し、先に手をあげないといけないものが中心です。また、申請書作成が複雑なので、その道の専門家が窓口となり、申請を代行する例が増えてきています。そうすると、審査もスムーズという点もあります。

 

住宅に関しては、新耐震基準ができた「昭和56年6月以降に着工した建物」というのが、年数のキーワードになっています。昭和56年6月以前の建物は、耐震基準が明確ではなかったもので、そういう物件には補助金は給付されません。住宅については、耐震基準を満たしたうえで、窓をペアガラスに替える際などに補助金の給付があります。
一方、非住宅のビルにはこういう振り分けの差がありません。なぜかというと、非住宅はそこにいる人が皆起きているという認識があり、逆に、住宅は人が寝る場所でもあるので、就寝時の地震のリスクを考えると、新耐震基準を満たしていない建物に補助金を出すのは難しい、ということになるのです。
エコポイント制度が、「住宅ストック循環支援事業」に変更されたことで使いにくくなったと言われるのは、ここがポイントになります。要は、以前は窓ガラスや給湯器を替えたら補助金をもらえたのに、現在は、耐震補強をしてからガラスを替えないと、補助金を受け取れないことになっています。
しかし、非住宅のビルはこれには関係ないので、省エネ工事だけで、補助金をもらえます。つまり、住宅と非住宅で大きく分かれ、戸建・マンションを含む住宅では、築年数が関わってくるかたちです。

 

2011年の東日本大震災後、住宅・非住宅・工場・倉庫それぞれに関わる節電と省エネの補助金が増えています。
賃貸マンションやテナントビルのオーナーにとっては、関西では電気代の値上げが続き、空室も増えていて、消費増税もひかえているので、「トリプルパンチやなぁ」と言われていますが、逆に、補助金はたっぷりもらえます。
国が問題だと思っていることに予算がつくので、節電・省エネ・バリアフリーに加え、空き家をなくすための補助金など、いろいろな種類があります。これについては、後でまた紹介します。補助金の申請にあたって、オーナーが準備するものとしては、非住宅のビルの場合ですと、建築と設備の図面、電気・ガスの使用量が必要になります。

1 2 3 4 5 6 7 8