イベントレポート詳細Details of an event

第84回 AGC Studio Design Forum
AGC リノベーション展+DESIGN セミナー
「補助金を使って窓改修」

2017年11月9日(木)
講演会/セミナー

補助金の目的と狙いに沿った申請をすると、一番多くもらえる方法をとれる

 

山下 最初お話したように、最近は補助金について知っている人が増えてきました。ただ、1割ほどの人が、「誰が申請してくれるの?」と言うので、「僕です」という話をしているのですが、申請のための書類はすごい量になるので、「君、頭おかしいんかぁ」と言われることもあります(笑)。
それが、なぜ苦にならなかったのか…。補助金申請を始めた10年前から思っていたのは、東京海上火災保険にいたときに、細かな字と難しい内容が続く保険約款をよく見ていて、補助金申請の書類も同様なので、導入部分からそんなに苦痛じゃなかった、ということがありました。
自社の山下硝子建材には40人ほどの従業員がいて、そのうちの5人ほどが補助金申請の専属としてやっています。

 

「国の補助金って、何ですかぁ?」という質問もよく受けます。
補助金には市町村などが扱っているものもありますが、建物の補助金のスリートップというと、国交省・経産省・環境省になります。このスリートップが定めた制度で、国が定めた条件を満たして、国が定めた工事を実施することにより、もらえる援助が補助金です。国が定めているので信用もあり、建設業界の視点からは「お客様へのPRも可能」、ということになります。
関西でも、スーパーゼネコンとサブコンの“戦い”がよくあります。スーパーゼネコンはネームバリューもあるので、スムーズに受注をとることが多いかと思います。いわゆるサブコンである、中小の工務店向けのセミナーに呼ばれることもあり、その折には、「勝つ方法はありますよ」という話をしています。補助金を使うことは、オーナーに対しての効果的なPRになりますよ、と。
我々は国交省が定めた制度にのっとった、お墨付きの工事をしているので、オーナー様に補助金を届けられるのですよ」、というようなアドバイスを詳しくして、実際に、サブコンが信用を得て、受注を勝ち取るという例も多数あります。

 

建物の補助金は、建物の用途によって変わってきます。
大きく3つの用途に分かれていて、先程のスリートップの国交省・経産省・環境省が受け持っている建物によって、3分類に分かれます。具体的には、1つ目は戸建や賃貸・分譲マンションなどの住宅、2つ目は事務所・店舗・ビル・学校・病院・ホテルなどの非住宅、3つ目は工場・倉庫となります。
補助金を使いたいときは、これらのどの項目にあてはまるかを確認し、一番もらいやすいのは、この省庁のこれ、というアドバイスをすることになります。例えば、耐震工事は国交省のここ、省エネは経産省のここ、バリアフリー化なら環境省のここというように、使い分けができます。各省庁の補助金の目的と狙いに沿った申請をすると、一番多くもらえる方法をとれるわけです。

 

補助金のスケジュールについても、ご説明します。
よく、「補助金に弱点はないんですか?」と質問されるのですが、私はスケジュールが“弱点”とは思っていないのですが、唯一挙げるとすると、補助金が出るタイミングが弱点になる場合があります。政治が絡んでくるので、政局の動向に応じて、出るタイミングが遅れることがあるのです。
申請に関しては、募集期間が決まっています。短いものでは2週間というのもありますが、春・夏・秋など年度内に2〜3回は募集期間があるのが一般的です。その時期を目がけて着々と準備をしておいてください、というのが国の考え方です。募集期間自体は短いのですが、常にアンテナをはっておいて、前もって準備しておくと、申請がスムーズになります。

 

補助金は通常、2〜3回申請をあげなければいけません。2回申請と3回申請で違う点は金額です。100万円くらいまでの補助金であれば、だいたい2回申請になり、何千万円や億単位の補助金になると、提案申請が加わることで、3回申請になります。
ビルの改修に1億5000万円かかるケースを例にとりましょう。
その3分の1の5000万円を回収するための段取りとしては、まず、図面の用意や見積もりなどのための現場調査をして、提案申請をあげます。約1カ月の審査を経て、提案申請の採択がでたら、1億5000万円の工事をするということで、その3分の1の5000万円の予算を確保しました、という通知がきます。次に、厳密な見積もりと請負契約を結び、2回目の交付申請をあげます。続いて、着工・完工を経て、写真や証明等をつけての3回目の実績報告を行い、終了となります。
その後、補助金の入金があるわけですが、先程述べた、補助金の唯一の弱点とも言える、入金の遅れが生じる場合があります。補助金が1億円以上のケースでは、入金が1年越しになるのもザラです。ただし、他には弱点と言えるものはないので、「補助金を使うと得ですよ」という話をしているわけです。

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