イベントレポート詳細Details of an event

第84回 AGC Studio Design Forum
AGC リノベーション展+DESIGN セミナー
「補助金を使って窓改修」

2017年11月9日(木)
講演会/セミナー

建物の熱が80%も出入りする開口部である窓は、節電・省エネの要。さらに最近は、健康寿命との関係も注目されている。窓改修を行い、快適で安心して暮らせる住環境を整えることが急務となるが、そこに立ちはだかるのが高額な改修費用。国の補助金を賢く利用すれば、全体の3分の1の給付を受けることが可能だ。ガラス・サッシ等の窓のスペシャリストであり、窓改修に伴う補助金のノウハウにも精通する山下隆之氏を迎え、窓改修と補助金にまつわる詳細と現状を語ってもらった。

 

【講演者】山下 隆之 氏 (山下硝子建材 株式会社 代表取締役)

 

保険・補助金・減税など、得する話はすべて自己申告制

 

山下 ただいまご紹介いただきました山下硝子建材株式会社・代表取締役の山下隆之と申します。今日は90分という長い時間なのですが、盛りだくさんの内容でお話をして参りたいと思います。
何が盛りだくさんかと申しますと、建物に関する補助金は、建物の用途ごとに種類がいろいろあり、そのすべてに関して、私自身が申請をあげております。まず、職場での補助金があり、住宅では一戸建ての新築とリフォームのそれぞれ、賃貸マンションにも補助金があり、分譲マンションでは部屋ごとの補助金に加え、一棟丸ごとで何千万円がドンとでる補助金もあります。
昨日は、関西の大阪ガスで、学校向けの補助金セミナーを行いました。最初、山下硝子建材という硝子屋が、「なんで補助金の話をするの?」という雰囲気だったので、自己紹介をいたしましたが、今日もそれから始めたいと思います。

 

 私は、家業である硝子屋の3代目でして、年齢は41歳です。家業は祖父の代からで、今年で70年になります。高校までは大阪の学校でして、その後、神戸大学経済学部を出て、今は、日本一高いビルの「あべのハルカス」が目の前に見えるところに住んでいます。これまでのターニングポイントとしまして、大学卒業後に入社した東京海上火災保険での経験があります。そこに8年勤務した後に、実家の硝子屋を継いだかたちです。
そこで、何がターニングポイントかと言うと、東京海上火災保険にいた時代に補助金のシステムについて詳しくなり、国交省・経産省・環境省とのパイプも持てたことです。東京海上火災保険を退職後、10年経ちますが、家業を継いでからは、保険会社時代の経験をもとに、補助金に関するさまざまな業務に取り組んでいます。

 

私自身も建物のオーナーでして、父から譲り受けたマンションやビルを改修するときに、補助金を利用しました。その際に父がびっくりしたことが、この業務の始まりでした。私は業者でもあるのですが、それとは違うオーナーの立場で、建物の改修時に補助金を使っているので、そのコツとノウハウをオーナーさんの集まりや銀行・リース会社のセミナーなどでご提案しています。
例えば、大規模修繕をするオーナーに銀行が融資をするとき、金利の問題も発生するので、銀行の方に同行することがあります。
「このビルなら、なんぼくらい補助金が出る?」という質問に、「5000万円くらい出ますわ」と答えると、オーナーさんが驚いて、「君は誰や?」と聞くので、「補助金の神様です」と答えています(笑)。そんなふうに、今までに1000棟以上の申請をしておりまして、いわば“補助金をやっている硝子屋”です。
最近、森友学園の問題があり、それをきっかけに、「補助金」が周知の事実になった、と言えるかと思います。先程の実家のマンションとビルの改修時には、3000万円の大規模修繕を行って、補助金1000万円が戻ってきました。
10年前のそれが始まりで、そのノウハウを、戸建・賃貸や分譲マンション・事務所・店舗・ビル・工場・倉庫など、オールラウンドにやりまして、その経緯から、コンサルティング会社ともつながりができました。そのなかで、皆さんによく言われるのは、「全部の補助金をやっている人はいない」ということで、金融機関、AGC旭硝子さんなどのメーカーと連携をして、いろいろな活動をさせていただいています。

 

 保険・補助金・減税など、得する話はすべて自己申告制です。
一時、省エネに関するエコポイント制度というのがあり、後からの申請もOKでしたが、最近は、工事前の申請が基本です。物件が大きくなると、先程言った5000万円、または億単位の補助金になることもあるので、事前の計画がとても大事で、着々と準備をして着工前に手をあげることが必要になります。
今まで、商業ビルやマンションなどを合わせて1000棟以上の補助金申請を行っていますが、採択率は100%の「10割打者」です。
なぜかというと、補助金に関する仕事を始めた10年前から、毎日のように国交省・経産省・環境省に電話をして、さまざまな質問をしています。そこからわかったのが、補助金に応じて各省庁の窓口が異なり、それぞれの思い・予算・趣旨がいろいろあるということです。
例えば、耐震化の補助金の窓口に、環境にやさしいエコの活動をします、などと言ってもダメなわけです。まず、各省庁の窓口の予算がどのような目的で組まれているのかを、紐解かないといけない。補助金申請には、いわゆる「作文」が必要なのですが、その方向性が間違っていたら終わってしまう。逆に、きちんとしたエビデンスを出して、ルールにのっていれば、すべて通ります。私は、依頼は基本的に受けるスタンスをとっているので、必ず受からせるということで100%を誇っています。
今は、AGC旭硝子さん、関西電力や大阪ガス、パナソニック、ダイキン、銀行やリース会社などと補助金の業務提携をして、いろいろ進めている状況です。オーナーからの依頼も多く、業者の紹介や補助金を絡めた融資やリースの提案も行っています。

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