イベントレポート詳細Details of an event

第28回 AGC studioデザインフォーラム
U-30 Young Architect Japan. 開催記念対談イベント

2013年3月8日(金)
講演会/セミナー

倉方 では、他の方に対して質問などがあればお願いします。

 

久保 米澤さんに質問します。ガラスを構造壁にされましたが、屋根までガラスにしてしまおうとは考えられなかったのですか?

 

米澤 それはよく聞かれるんですよ。でも屋根までガラスにしてしまったら、何か、気持ち悪くありませんか?(笑) すべてガラスだけでいくと、原理主義的な臭いがしますよね。だからあえて木とかスチールを入れて相対化したいという気持ちがあります。スタジオで展示するのですから、実際には屋根などいらないのですが、見慣れた家みたいな雰囲気を一部出したかったのです。

 

久保 米澤さんの作品には何か物語性を感じるのです。今回、ガラスのピースを四角ではなく、ああいう鱗状の形にしたのは何かイメージがあったのですか?

 

米澤 いろいろな形状をスタディしてみたところ、四角でもよかったのですが、ぶっちゃけた話、最初に描いたあの形がしっくりきてしまったのです。コストの問題もあるので、実際は四角のほうが実現しやすいのですが、そうすると、とげとげしくなって、無機質な印象や違和感が生じるので、よくないかな、と。

 

大坪 米澤さんの作品は、ワイヤーを使ってテンションを効かしていますけれど、構造を作るなら、もっと単純にガラス同士をつないだほうが早い気もします。あえてワイヤーでつないだのは、揺れることを特別な現象として想定していたのでしょうか?

 

米澤 やはり、ちょっと動いてほしい。動くと、反射や透過、映り込みも変わるので。
つないでしまう構造も考えられなくはないですが、そうしてしまうとダメというか、緊張状態と揺らぎ(の共存)をしっかり出したかった。そのストーリーとそれを裏付けるテクニカルなことをきっちり押さえたいのです。

 

*この後、1次審査でのコンペティターも加わりディスカッションが続く。

 

倉方 一次審査に参加いただいた他の建築家にも加わっていただき、ありがとうございました。昨年に続き、今年もみなさんと新しいガラスの可能性について楽しく議論できたと思います。
同じ問題について、こうしてみんなで一緒に取り組めるのはU30世代らしい、という気がします。僕らのように、もう少し上の世代だと、仲間意識はあるけれど、それ以上にライバル意識が強い。
この世代だからこんな雰囲気になり、みんなで一緒に考えられる。こういうのはなかなかないシンポジウムなので、非常におもしろかったです。
今日はどうもありがとうございました。

 

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