イベントレポート詳細Details of an event

第23回 AGC studioデザインフォーラム
U-30設計競技 「多様な光のあるガラス建築」 公開審査

2012年10月12日(金) 開催
講演会/セミナー

最終審査結果

 

最優秀賞
 「Glass Pavilion」 米澤隆氏
優秀賞
 「Sun For Two」 久保秀朗氏
 「天井のサンランプ」 増田信吾氏+大坪克亘氏

 

 

太田審査員による「Sun For Two」久保秀朗氏への講評

 

最初に見た時からとても綺麗な断面図で、すごく気に入っている案です。これは多分明日にでもできる、と思うところが少しありました。
明日からでもAGC studioに来て、どのように実現させれば良いのか、ご相談されるといいと思います。
とても面白いテーマでもったいないとは思うのですが、展示の条件を考えたりすると、お客様は通常五分程しか展示会場にいませんので、その間に光の変化を見せることはなかなか難しい。そうなると、光源を動かすところに、相当予算をとられてしまうのではないかと思いました。

 

このような言い方がいいかわかりませんが、もっとふんだんに自然光が使われているところで展示を行った方がいい、もしくは実際の設計において活かす方がよく、実際の建築に使用していると、予想通りになる可能性があります。
いろんな試行錯誤があるかもしれませんけれども、展示よりも、むしろもっとリアリスティックな雰囲気にしたほうが、その効果が分かるのではないかと思います。
とてもいい提案ですので、これからAGCさんからいろいろなバックアップが受けられると考えて、優秀作としての実績をもって、AGCの皆さんと進めていただけたらいいな、と思いました。

 

平沼審査員の講評

 

今回のテーマに対してきちんと答えていたのは、実は優秀賞を受賞された2組だった気がします。昨年からの引き続きのテーマとなった「多様な光のあるガラス建築」という提案は、実現可能な作品として、とても見てみたい建築空間でした。
でも実現できるかどうか怪しい「提案」どまりや、「建築」が抜けていたのではないかな、と思わせられる部分がそれぞれのプレゼンテーションに顕著に出ていて、やはり、どちらかと言うと一部破綻していてもモックアップを持って来た米澤さんの方が圧倒的な説得力があったように僕は感じています。また小さいモデルであっても、現物のものとしての存在を表してくれるのは、圧倒的に有利だな、とあらためて勉強をさせていただきました。

 

やはり、ある1枚の提案書を提示してくれると、僕たち設計者の思考の中で勝手な想像をさせてもらうことが出来て、失敗をしているものでも、スタディをされた実験物を持ってきてもらえると、構造家の先生や建築家の先生、ガラスのプロフェッショナルの方が、こうすれば良いんじゃないかと提案を重ねてくださって、どんどん協力者になってくれる。
そんな意味では、久保さんにしても、増田さん大坪さんにしても少し損をしてしまったんじゃないかと思います。1次審査では同じような得票数で、今日のプレゼンテーションでも、そもそも提案力の差があったわけでは決してなく、模型を持参し、視覚的にも見せてくれたことで、その微細な順位が付いてしまったのではないかと思っています。

 

ただ先ほど太田先生が良い事を言ってくださっていて、AGCの皆様は今日の提案をみなさんお聞きになられていて、今後、協力してくださることもありそうですから、今日の結果だけではなく、研究や実験を重ね、どうか実現化に向けて頑張って欲しいと思います。
今日はどうもありがとうございました。

 

佐藤審査員長の講評

 

米澤さん、今日はおめでとうございました。決して見た目の派手さに惹かれて選んだ、ということはありません。まだまだ改善点もあるでしょうし、問題点も多々指摘されることもあるかと思いますが、私としてはこのような構造が成立するところが見てみたいと思う魅力が一番ありました。
もちろん建築の魅力は構造だけに限らず、優秀賞2組の案もそれぞれ魅力がある中で少しだけ優れていたのではないかなと思います。3組とも非常に魅力的な案だったので、最優秀賞を決定するのがなかなか難しかったのですが、そのような理由で米澤さんを選ばせていただきました。
先ほど審議をしていた時にも、こうなったほうがいいんじゃないか、という案がどんどん出てくる状況でしたので、実際どのようなものが建つのか驚かせて欲しいなという期待をこめて、最優秀賞を送りたいと思います。おめでとうこございます。

 

花澤審査員の講評

 

会場の皆様、遅くまでお疲れ様でした。また、優秀賞の久保さん、増田さん大坪さん、おめでとうございます。そして最優秀賞の米澤さん、本当におめでとうございます。
私の印象を簡単に申し上げますと、久保さんの提案は例えば海の中からの太陽が差し込むような、すがすがしい光のイメージが頭の中に入ってきて、見せていただいた動画でも、やっぱりそのような印象を受けました。この提案を実際の展示の中でも見ることができたらすばらしいなと思いました。同時に実現させるのはかなり大変だなと思っていました。
それから増田さん大坪さんは、プレゼンテーションそのものが非常にシャイで、用意周到とはまったく真逆な印象で不安感は拭えなかったのですが、なんとなく外せない魅力があるなと、そんな複雑ながら素敵な印象を受けたのは私だけではないと思います。非常にチャーミングな印象をうけました。
それから最優秀となった米澤さんのプレゼンテーションですが、最後の最後まで手を抜かなかった。
古い言葉で「錦上に華を添える」という故事成語があり、これでもか、これでもか、というような手を抜かないプレゼンテーションに好感を持ちました。
私が心配なのは、先ほどの話ではないですが、ガラスは500枚ですか?(笑)。これから色々と打ち合わせが必要になってくるかもしれませんけれど、来年の3月の展示に向けて、また試行錯誤していただきたいと思います。
今日は皆様、おめでとうございました。

 

 

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