イベントレポート詳細Details of an event

第4回AGC studioデザインフォーラム
「環境建築の3要素を確立させたい ─自然エネルギー利用とソーラー建築デザイン」

2011年4月22日(金) 開催
講演会/セミナー

暮らし方と建築を変革し続ける

 

もうひとつ重要なのは人のふるまいです。「スマートライフのすすめ」ということになります。「時間や空間、エネルギーなどをムダに使っていませんか?」ということです。
例えば人がいないのに空調をしているとか、本当は暗くしてもいいのに隣の人がいるのでそうできないとか、現在は建物の状況に合わせて人間が暮らしています。そうした状況を近代建築がつくってきました。
一方、サルは寒い時に暖房をするわけではありません。この写真のように身を寄せ合って暖を取っています。体温調節機能がまだ発達していない小さな子どもたちは、こうやって中のほうに入れています。生き延びるためのサル知恵です。
それから、犬や猫も普通なら空調は必要ありません。暑さ、寒さで場所を移動します。人間の体も多少の温度変化がないと健康を害してしまうようにできています。これは、そういう理屈で考えられた「無暖房住宅」です。高断熱のつくりになっていて、お客さんなどが来ると人の体温で少し暖かくなる。照明から出る熱も利用しています。

 

考えてみると、私たち人間は、農耕時代は土地に縛られていた。近代の最初の頃は工場に縛られていた。いまはオフィスにしばられている。
でも、みなさん、本当にいつも会社にいますか? 僕も会社にいるのは仕事の半分くらいです。外に出て打ち合わせしたり、現場に行ったり、そうしている間は自分の席なんてオフィスに要りません。
でも、僕がいなくても僕のスペースには空調がされている。それがもったいないと思うのです。
IT技術の進んだ今、それこそ、オフィスなんて本当に要るのか、という疑問もあります。パソコンで行う業務なんてコーヒー店のちょっとした席でもできる。会社にいないほうが孤独で集中して仕事ができたり、隣に座っている人が全く知らない人であるほうがかえって仕事がやりやすかったり(笑)。
もう少しすると、私たちの働き方が変わってくると思います。つまり、今の建築は、変化するビジネスや業務に適応していないのではないか? という疑問があります。
快適さというのは、今のオフィスビルではなくて、集中するための暗い場所がもっとあっていいとか、利用頻度の低い会議室も普段は他の用途に使えるだろうし、先ほどの例のように階段は人と会う場所にするとか、さらにはテラスなど屋外空間の利用を図るなど、しかも四角いスペースではなく、といったように、さまざまなことを考えられます。
また、エネルギーが一番大事な時代なのに、なぜ機械室が地下の一番下のフロアにあるのか? ということで地表に出したのが、このドイツのビルです。
吹き抜けのエントランスに機械室があり、そこを通る人はエネルギーの大切さを感じながらビルに出入りします。

 

振り返ると、鉄からコンクリートへという流れがいまの温暖化をもたらしました。これを変えねばなりません。
強(構造)、用(機能)、美(デザイン)というのが近代建築の3要素でしたが、これに対して環境建築の3要素を考えてみました。?????(文字が見えないので内容は不明)。これからの建築には、エネルギーと人との関係性もあるし、大気との関係もあるのです。
そのような関係性をデザインするような、あるいは外部を意識するような、そういうような建築を作ることができたらいいと思います。もちろん、美しい環境建築デザインにしたい。21世紀の建築エンジニア行動として、快適で持続可能な社会を創ることが目標であります。
ところが私たちは地球環境問題に対して加害者でありました。と同時に、生活者としては被害者でもある。自分で自分を痛めつけてきたわけです。そういう社会は続きません。
21世紀の建築は、ガラリと変わらなければなりません。エネルギーを大量消費するような建築は終わりにしましょう
その際、人間は保守的な傾向があるので、「この前うまくいったから、次もそうしよう」という考えでは行き詰まりますので、変革を継続させることが大切です。常に自己変革していく。社会でも企業でも家庭でも、そう振る舞うよう努力すべきです。
もちろん、失敗はつきものなので、それも織り込んであきらめずに進めましょう。先だって話題と感動を呼んだ小惑星探査機の「はやぶさ」は、大気圏突入時に自身は焼けてしまいましたがカプセルを届けました。
たぶん、私やここにいるみなさんの多くは、2050年に、この世にはいないと思いますけれど、次世代にいい環境を残したい。そのために燃え尽きようと思います。
地球温暖化は、人間が起こしたのだとすれば、必ず人間が解決させられるはずです

 

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