デザインフォーラムレポート

AGC studioで開催している、「デザインフォーラム」のアーカイブです。

第12回 「開かれた環境と技術」 ~LCCM住宅を中心に~ 2011.12.08

第12回 「開かれた環境と技術」 ~LCCM住宅を中心に~

住宅は、その素材の生産時から建設時、運用時、そして廃棄に至るまでに大量の資源・エネルギーを消費する。そこで、住宅のライフサイクル全体を通して省エネルギーを図り、また太陽光パネルなど自然エネルギーの産生設備を備えることによって、最終的には住宅にかかる二酸化炭素の排出量をマイナスにしてしまおうというのがLCCM住宅(Life Cycle Carbon Minus:ライフサイクルカーボンマイナス住宅)である。日本サステナブル建築協会や独立行政法人・建築研究所などが共同で研究開発をしている。
横浜市「象の鼻パーク」など都市空間、環境設計で有名な建築家の小泉雅生氏はLCCM住宅の研究・開発委員としてデモンストレーション棟(茨城県つくば市)の設計にも関わっている。「アシタノイエ」など同氏が手がけた住宅を含め、LCCM住宅のコンセプトから設計プロセスなどを中心に講演を行った。

[講演者]
小泉雅生氏  建築家  首都大学東京大学院都市環境科学研究科建築学域教授

 

第11回 「建築を取り巻くこの一年」 ~AGC studioへのさらなる期待を込めて~ 2011.11.07

第11回 「建築を取り巻くこの一年」 ~AGC studioへのさらなる期待を込めて~

少子高齢化したわが国の人口がはっきりと減少に転じ、また単純な経済成長やスクラップ&ビルドを望めない社会環境、グローバル環境になったところに、大震災と原発事故が日本を襲った。そのような2011年を総括するよりも早く、一部の建築関係者たちは業界が変容すべき必要性と可能性を考え、すでに動き出している。
AGC studioの1周年を記念し、スタジオとゆかりのある方々にこの1年を個人的に振り返ってもらったのだが、そこで語られた内容は、奇しくも共通するテーマが核心を占めていた。建物だけでなく街全体や人々の生活にまで深く入り込んでリノベーションを進める必要性。また、非構造部材の更新の必要性。さらに箱から場へと業界の足場を変える必要性など、日本のみならず世界をリードする思考が、日本の"建築頭脳"にはある。

[講演者]
乾久美子氏  建築家  東京藝術大学美術学部建築科准教授
太田浩史氏  建築家  東京大学生産技術研究所講師
清家  剛氏  東京大学新領域創成科学研究科准教授
松村秀一氏  東京大学大学院建築学専攻教授
(五十音順)

 

第10回 〈UIA連動企画〉「デザインの新境地~Design's New Frontiers」 2011.09.26

第10回 〈UIA連動企画〉「デザインの新境地~Design's New Frontiers」

「UIA2011東京大会」(第4回世界建築会議)が東京国際フォーラムで開催され、そのテーマセッション出席のためにニューヨーク近代美術館(以下MoMA)のシニアクリエイターであるパオラ・アントネリ氏が来日された。
AGC studioを総合プロデュースした太田浩史氏はMoMAへの出展などを通してアントネリ氏と交流がある。そこで、アントネリ氏を招きデザインやアートの最新の潮流について太田氏と対談形式でご講演いただくとともに、会場の複数のクリエイターたちと意見交換を行った。


[講演者]
パオラ・アントネリ氏  ニューヨーク近代美術館  建築・デザイン部門シニアキュレーター
太田浩史氏  建築家  東京大学生産技術研究所講師

 

第9回 「道理と信念をかけて逸脱する」 ~"坂流"コンペに勝つデザインとは~ 2011.09.17

第9回 「道理と信念をかけて逸脱する」 ~"坂流"コンペに勝つデザインとは~

「カーテンウォールの家」「家具の家」「紙の家」などで知られる建築家の坂茂氏。近年では「ポンピドゥー・センター・メス」や銀座の「ニコラス・G・ハイエックセンター」でも有名だが、その華々しい経歴に反して、坂氏のコンペ勝率は非常に低いらしい。もちろんそれは独自の世界を構築しグローバルに活躍する、選ばれた建築家だけにつきまとう宿命ともいえる。常に高い評価を受ける一方で、勝ちきれないことがほとんどなのだ。

そうした坂氏の下で、チームリーダーを務める岡部太郎氏によると、コンペに勝つデザインには「共通する秘訣がある」という。本当にそうした魔法のようなエッセンスがあるのか? 坂氏の間近でその手法を見て実務を動かしてきた岡部氏が、自ら関わったニコラス・G・ハイエックセンターの実例と多数の負け事案なども通して、"坂流"コンペに勝つ方法を客観的に語ってもらった。


[講演者]
岡部太郎氏 坂茂建築設計

 

第7回 「NAME/名前や既成概念を消し、初めてのように考える」~建築家が"スーパーしろうと"であることの意味~ 2011.07.26

第7回 「NAME/名前や既成概念を消し、初めてのように考える」~建築家が"スーパーしろうと"であることの意味~

「住宅は、いつから住宅になったのか?」「人が住めば住宅なのか?」「飲食店は飲食店として、美術館は美術館として設計されるから飲食店や美術館になるのか?」──国内はもとより世界からも注目される若手建築家の谷尻誠氏は、ア・プリオリ(先天的・生得的)と思われがちな事実や意味を常に疑ってみるという。
いつも、初めて考えるときのように、既成の概念や付与された名前さえも一度解体して更地化し、新たに掘り起こして考えるのを習慣にしていると話す。「そういうふうに考えるのが建築の役割で、例えば、絵がどのように飾られるのがいちばんいいのかを、初めてすることのように考えると、新しい発想の美術館ができ、社会に豊かさを創り出すことができる」とも言う。独創的なアプローチで、不便な崖地を眺望に優れたリビングへ変えたり、住宅や保育園の廊下を路地に見立て、子どもの自由な遊び場を演出したり、さらには狭小住宅に"離れ"的な広がりをもたらした例など、谷尻氏は、さまざまな実作の考え方とアプローチを飾らずに紹介する。
「コミュニケーションにおいてはスーパー素人でありたい」という谷尻氏が「NAME」という名のテーマで講演を行った。

[講演者]
谷尻 誠氏 建築家

 

第6回 「人口減少社会から生まれる新しいクリエーション」 ~この先の公共のかたち~ 2011.06.24

第6回 「人口減少社会から生まれる新しいクリエーション」 ~この先の公共のかたち~

「建築やアートなど、創造的行為を生業とする私たちにとって願ってもない時代がやってきつつある」
曽我部昌史氏は、人口減少に転じた日本や先進諸国の現状と未来を、こう見立てる。多くの社会学者が指摘するように、いまは「長期的な人口減少」という先進社会が初めて直面する大転換点にあるが、行政や経済界などはそれに対する直視を恐れ、変革を先導する心構えも、決意も、そして十分な準備もできていない。しかし、その一方で新しい時代への息吹は地域で確実に生まれ始めている。

人口減少時代の建築とは、どのようなものなのか? いかにしてその時代に対処すべきか? 「空間が先で用途は後」「セルフビルド」「見立てる技術」「経済性の超越」という4つのキーワードによる仮説を唱える曽我部氏が、自らのプロジェクト紹介を通して、過去と未来をつなぐ建築文化のありようを、たっぷりと語った。

[出席者]
曽我部昌史  建築家(みかんぐみ) 神奈川大学工学部建築学科教授

 

第5回 「AGC studioデザインフォーラム 大震災によって非構造部材はどう壊れたか ─地震とガラス」 2011.05.24

第5回 「AGC studioデザインフォーラム 大震災によって非構造部材はどう壊れたか ─地震とガラス」

工法分野における研究で著名な清家剛氏は、東北地方太平洋沖地震でも「未知のタイプの被害が起きたとは認識していないし、決して想定外とはいえない」と語る。
今回の地震は周期の短い、構造体が壊れにくい地震波とも分析されており、非構造部材に特徴的な被害が散見されるという。現地調査の途中経過の解説と、注目されている非構造部材の耐震基準の方向性にも触れてもらった。

[講演者]
清家  剛氏  東京大学新領域創成科学研究科 社会文化環境学専攻 准教授

 

第4回 「環境建築の3要素を確立させたい ─自然エネルギー利用とソーラー建築デザイン」 2011.04.22

第4回 「環境建築の3要素を確立させたい ─自然エネルギー利用とソーラー建築デザイン」

大野二郎氏は、東日本大震災後の人々の「エネルギーを使い過ぎていたのではないか」に対する問いかけに建築界の実情と責任を認め、環境建築へ向けた一歩を踏み出すべきと強調する。(株)日本設計の環境部門を束ね、また自邸を大胆なソーラー・デザイン仕様にするなど、世界のソーラー建築デザインの潮流と具体例を解説しながら、環境建築について講演した。

[講演者]
大野二郎氏 (株)日本設計・環境創造マネジメントセンター長

 

第3回 「主張するガラスと光 - あたたかな透明感」 2011.02.24

第3回 「主張するガラスと光 - あたたかな透明感」

空間設計の分野で数多くのコラボレートをして高い評価を受けている橋本夕紀夫氏(空間設計)と武石正宣氏(照明デザイン)。現代建築におけるガラスと光の巧みな使い手であり、ガラスが持つ透明性のみならず、「素材としてのあたたかな記憶がある」ガラスに人が抱く感情なども取り込みながら空間設計に臨んでいるという。デザインの現在と未来を語り合ってもらった。

[講演者]
インテリアデザイナー 橋本夕紀夫氏  橋本夕紀夫デザインスタジオ
照明デザイナー  武石正宣氏  都市環境照明研究所所長

 

第2回 「究極の部品化住宅、サスティナブル住宅を求めて ─箱の家が体現する時代と普遍性」 2011.01.28

一室空間という「箱」に、部材を限定した標準化で低コストを実現し、一方で、光や風などの自然エネルギーを取り込んで省エネとサスティナブル性を追求する。難波和彦氏の代名詞ともいえる「箱の家」は、家族の住まい方にも提案が込められている。アルミエコハウス、MUJIの家等を通して "箱"を記号にまで昇華させた"普遍解"やサスティナブルデザインについて語った。

[講演者]
建築家  難波和彦氏
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AGC studio 基本情報
建築用ガラスのコンシェルジュ、「AGC studio」。
ここでは、来場者にガラスに触れていただき、ガラスの魅力・機能を分かりやすく伝え、体感いただくショールーム機能のほか、お客様とのコミュニケーションやコラボレーションを通じて、これまでにないガラスの使用方法を追求し、新たなガラス文化の創出をめざしています。
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